2012/11/23 明日からの『やくたたず』、特別併映短編 ×3は初日と最終日だけ!

 本日は明日から始まる『やくたたず』の試写に立ち会ってきた。本当はそのまえに『ニュータウンの青春』を見ようと思っていたのだが最終日満員御礼、立ち見40人との情報が耳に入り断念。良い評をたくさん聞いていただけに残念だった。ぜひまたどこかでかかってほしいと思う。そのとき必ずリベンジしたい。

 

 ところで先日、ホン・サンス監督の『次の朝は他人』を見たのだがそのなかで『Playback』との共通点の多さに心底びっくりした。簡潔に挙げるとまず画面がモノクロ。そして物事が繰り返されること。登場人物が映画の製作者、関係者なこと。そして『Playback』劇中の菅田俊さんの台詞にある「選択と結果、選択と結果、その積み重ねとしての今だろう」という言葉(名台詞!)とは正反対のやりとり、曰く「ひとは無数の偶然のなかからひとつのラインを選び取って物事に理由をつけているにすぎない。」という台詞。

 

 まあ共通点がたくさんあってびっくりしたよ、というだけのハナシなんですが。

 

 だけどやっぱりそのことは他の人からも指摘されているらしい。そんな『次の朝は他人』の感想を監督にコーヒーを飲みながらしつつ試写の時間を待ち、会話の流れで<映画が立ち上がる瞬間>ってどういう瞬間なんだろうかとぼんやりと考えていたら試写の時間になってしまったのでオーディトリウムの座席に。

 

 試写はまず『やくたたず』から。そのファーストカットが画面に映った瞬間、びっくりした。

 立ち上がってるじゃん!監督も隣で「いい映画だなあ」と自画自賛。

 こう書いているとすごく嫌味に見えるけど(笑)、もちろん僕は初めてに見たときにも同じような驚きを持って、まず映画のルックだけとってみても自主映画の範疇を大きく超えているし、俳優の表情も、これはすでに多くのところで言われている通り素晴らしい。なによりそのファーストカットが端的にこの映画を伝えていることがすげーなと。だからこの映画は三人の高校生が息を切らして走っている映画と言い切ってしまってもいいと思うんですが、いやしかしこれは早計でしょうか。まぁとにかく見にきていただければ加瀬亮さんが、渋川清彦さんが、村上淳さんが惚れこんだということがわかっていただけると思います。

 

 で、色味と音響の微調整をして明日と最終日だけ『やくたたず』に特別併映される『1999年』、『マイムレッスン』、『スパイの舌』の試写を。

 『1999年』は監督がなんと15歳(中3!)の時に撮ったという作品で、映画のことなんてほとんど何も知らなかったというのにすでに『やくたたず』的な躍動感をもつ脅威の3分間。

 それから時間がだいぶたって2006年に撮られた『マイムレッスン』は一転、タイトルと同時に映し出される赤色が強烈な印象を残しつつマイムと言葉の反復で魅せるかなりシャレオツな10分の作品。

 『スパイの舌』は5分のパート×3で構成された連続無声活劇を思わせる矢継ぎ早かつ極めてフリーキーな展開で監督の長編ではまだ見せぬ側面が垣間見れる作品になっています。

 『マイムレッスン』なんかは今回樋口泰人さんが『Playback』に寄せてくださったコメントそのままだと思える瞬間があり、本当に、あぁ映画が始まるんだなと思ってしまうと思いますよ。映画が立ち上がる瞬間じゃないですけど映画でしか味わえない感情でいえば『Playback』も渡辺真起子さんの二度目の登場シーンなんて(もちろんその他いたるところにあるけど)まさしく映画でしか味わえない何かを感じざるをえないと思うので明日の『やくたたず』&短編を見るまえに未見のかたは見てみてください。必ずぐっとくると思います。

 明日は3つの短編に関する監督の簡単な解説というか説明が上映前にありますのでみなさま是非この機会に。

 

佛木