2012/11/22 こういうのマジむずかったけど気軽に選んでみた次第

(※某所で紹介させて頂いた15本の映画とコメントを、若干修正してここに転載します)

 

Playback』には男が出てくる。「男の映画」といっても、3人以上が横並びになるのか、2人だけでつるむのか、あるいはたった1人で闘うのか。そんな「男の映画」のヴァリエーションを中心に、『Playback』に関連して「結婚式がでてくる映画」や「タイムスリップする映画」を並べてみました。笑いながら泣いて観た映画、つまりリラックスしたままで激しくパーソナルな感情を揺さぶられた映画が多いです。

 

『デジャブ』

今までで最も興奮した娯楽映画だと断言できるし、『デジャブ』をみて以来映画のみかたどころか、この世界のみかたそれ自体が変わる衝撃だった。

トニー・スコットの映画ではいつも、誰かのために生き誰かのために死ぬことをいとわない人間たちの姿に胸を打たれた。だからこそ、誰かと一緒に生きている時間がものすごく悲痛にも貴重にも感じる。自分も『デジャブ』のデンゼル・ワシントンのように生きたい。

http://www.youtube.com/watch?v=li5u-SyyG-c

 


『ペギー・スーの結婚』

冒頭、鏡のショットから引き込まれる。おっさん役と高校生役を演じるニコラス・ケイジやジム・キャリーはもちろん、タイムスリップした過去に登場する全ての人、とくに祖父・祖母そして妹の存在が笑えるほど悲痛だ(妹にいったいなにがあった?)。「俳優」という存在の本質的な儚さに触れると、ふと自分たちも等しくそのような存在なのだと気付く瞬間がある。

『雨のなかの女』『ドラキュラ』も一緒に是非。

 http://www.youtube.com/watch?v=ZiN2nZ-MvoA

 


『恋はデジャブ』

ビル・マーレイは戸惑うことの天才だ(バスター・キートンや『パリの灯から遠く』のアラン・ドロンも天才だ)。映画をみているぼくらの戸惑いをその顔で受け止めてくれる。誤解を恐れずに言うと、村上淳もビル・マーレイ・パワーを持っていて、戸惑いからやけっぱちへの一歩がいつも力強い。

本作や『コクーン』、『エイリアン2』、もちろん『バックトゥザフューチャー』など80年代の映画が描いてきたエモーションが『Playback』の大きな土台となったと思う。

http://www.youtube.com/watch?v=tSVeDx9fk60

 


『バンド・ワゴン』

斜陽の映画産業で半ば引退状態に追い込まれたスター俳優が主人公。ある人が「重要なことは二回言う」といっていたが、この映画ではフレッド・アステアが二度、「ぼくは独りわが道を行く」(“By Myself”)と歌う。

 

人をフルサイズで撮るとき、いつもフレッド・アステアをみているときの悦びを思い出すようにしたい。ミネリの他作品なら、『ブリガドゥーン』がめっぽう面白い、らしい(未見)。

 http://www.youtube.com/watch?v=EQxXUmB7AEI

 


『サリヴァンの旅』

こんな傑作があるならもう映画なんてつくらなくてもいいじゃん…ということすら最早どうでもよくなるくらい元気がでる映画だ。


映画を見失った男があてどなく旅にでる…というなんだか切実そうな物語がとんでもないスピードで展開して、やがて映画そのものとなる主人公の勢いに全身を貫かれる思い。『パームビーチストーリー』のデタラメさもたまらない。

 http://www.youtube.com/watch?v=HUNHxGDLfIE

 


『レッツ・ロック・アゲイン!』

「レッツ・アゲイン」という言葉の重みと気合いが身に沁みる。小6の頃からヒップホップばかり聴いて育ったせいで、ジョー・ストラマーなんてろくに知らなかった。

しかし、だからかもしれない、この映画をふらりとみて、「死ぬほどカッコイイ」と心底思った。涙と鼻水の量だけでいえば一番の映画かもしれない。


(※いい予告動画がなかったから、これでもくらえ!)

http://www.youtube.com/watch?v=lZBaklS79Wc&feature=related

 


『孤独な場所で』

あまりにも感情移入してしまって立ち直ることができなかった一本。見世物としてのカタルシスを追求する暴力シーンも大好きだが、暴力をふるう人間の<弱さ>、人間の限界が映画には映ることを知った。ちなみに『Playback』の撮影中、あるシーンで「好きな映画について喋ってください」と渋川清彦さんに無茶ぶりをした。本番一発のみだったが、ニコラス・レイ監督の一本からあるシーンを愉快に語ってくれた。とても嬉しかった。

 http://www.youtube.com/watch?v=CcMPHyOWjG4

 


『いつも二人で』

偏愛している一本。これを好きだというのはちょっと気がひけるぐらいクダラナイが、映画はこれでイイ気もしてくる。イビツでふざけた展開に振り回されながらも最後の二人の掛け合いに至っては、思わずガッツポーズがでた。それにしてもこのオードリー・ヘップバーンはビッチだ。素晴らしい。

 http://www.youtube.com/watch?v=2HPtSGg2b4s

 


『幸福の設計』

上京してビデオ屋で手当たり次第みて、当時の自分に一番フィットしたのがジャック・ベッケルだった(なかでも『エストラバード街』に最も感動した。これは日仏学院でみたけれど)。

映画を撮る前にうっかり見直すとまんまとベッケル病にかかる。ベッケルのように撮るか、あるいは全く無視して撮るか?と昔ある方が言っていたことをずっと記憶している。ベッケル時間、というものがある。

http://www.youtube.com/watch?v=3xl6woah5EU

 


『ハッスル』

『カリフォルニアドールズ』がついにニュープリントで観れる。1975年製作の本作と、1977年製作の『合衆国最後の日』。「いったいいま、おれたちのうちの誰が国のことを真剣に考えて映画を撮ってる?」

と去年、小出豊監督にハッパをかけられた。『ダークナイトライジング』の監督はきっとアルドリッチを真剣にみていないが、ぼくらは、真剣に観て、真剣に考えるべきだ。『ハッスル』は二人組の映画。

http://www.youtube.com/watch?v=L0avJcf2C5E



『馬上の二人』

二人の男、と言えばこの映画。J・スチュワートとR・ウィドマークが横並びで座る長いショットの充実した時間を思い出す。

『捜索者』の陰惨な反復のような物語で気が滅入る一方で、この道徳的なたがが外れた人物たちに、むしろ映画の「自由」の可能性を感じる。フォードではほかに『モガンボ』と『ドノヴァン珊瑚礁』も好きだ。

映画学生には是非『モガンボ』(フォード)と『ハタリ』(ホークス)の二本立てを勧めたい。

http://www.youtube.com/watch?v=16EVBj-3T1U



『ライディング・ジャイアンツ』

『ロード・オブ・ドッグタウン』に出てくるあの金髪少年ステイシー・ペラルタ本人によるドキュメンタリー。『DOG TOWNZ BOYS』も一緒にどうぞ。

サーフ映画の面白さは、数年前に吉祥寺バウスシアターで行われた爆音サーフ特集にて全身で体験させてもらった。是非もう一度映画館でみたい、と勝手に願いつつ。

『Playback』の波と音を劇場で是非体感してほしい。

http://www.youtube.com/watch?v=ADy8f6t4Ri8

 


『父親たちの星条旗』

イーストウッドとトニー・スコットを交互にみると、世界の表と裏にぐるっと囲まれる気がする。イーストウッドの映画をみるたび、誰かの犠牲の上で生き残ってしまった人たちが途方に暮れる姿に妙に感情移入してしまう。

 

あらゆる青春映画には『父親たちの星条旗』の影が落ちている。若い兵士たちの、なんの特徴も覚悟もない、見分けのつかぬのっぺらぼうのような顔。だからこそ、グッとくる。

http://www.youtube.com/watch?v=FUjyJjMcNlU


 


『ルールズ・オブ・アトラクション』

モンテ・ヘルマン『果てなき路』のヒロインを演じたシャニン・ソサモンにかなり惚れました。そんな彼女の初々しい姿が堪能できる一本。マジ、かわいいし!

 

ロジャー・エイヴァリーという監督の名前をようやく今年の夏に調べて、アメリカのキレキレの知性の存在を今更知った次第。松井さん教えてくれてありがとう。

 http://www.youtube.com/watch?v=E6EPa9Fw3Lk&feature=BFa&list=FL4KlIoPrxnLG1vqUwC6Ga-Q

 


『ロケーション』

森崎東監督が現在準備していらっしゃるという新作を心待ちにしながら、「喜劇シリーズ」からなにからなにまでみようみなかったらそれまでよ運動宣言。女優が1人二役を演じるときの、強烈な魅力の噴出にいつも興奮する。

映画への愛、俳優への愛、人間への愛、そんなことをストレートに感じられる映画。

http://www.youtube.com/watch?v=_CvfiHehlkk&feature=relmfu